2017年4月 ILSI台湾 総会およびシンポジウムで発表

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2017年4月 ILSI台湾 総会およびシンポジウムで発表

2017年4月14日 ILSI台湾の年次総会およびシンポジウムで発表しました(International Life Science Institute:国際生命科学機構)。発表のタイトルは「食品に直接接触するパッケージングとしての100%リサイクルPETの使用拡大」Expansion of 100% recycle PET bottle usage in Japan as direct food contact packaging material でした。

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演壇で紹介される筆者(2017年4月14日)

もともと、発表の依頼は2017年2月頃にILSIジャパン(国際生命科学研究機構)のある方から講演の依頼を受けました。ILSIと言えば、生命科学全般に関わる機構で全世界にオフィスがあり、技術的な権威はもちろんのこと、その活動範囲も広く、世界的に権威ある非営利活動法人です。そんな権威ある団体から台湾ILSIでの発表の打診があったとき、正直、かなり戸惑いました。私に発表できるようなことがあるか?と。

●過去のILSIでの取り扱い事項と私の発表候補

ILSIの総会では食品に直接触れる容器、たとえば食品プラスチック容器からの有害物質や環境ホルモンの食品中への移行などが多く取り扱われているように思いました。私の過去の仕事の中から、とうていこのような内容に合致するものはない、と感じており、ILSIジャパンの事務局の方には発表をお断りするつもりでした。ところが、よくよく考えてみると私のキリンビバレッジ時代にサントリーさんの主導のもと、100%リサイクルPETを使用したPETボトル(キリン午後の紅茶(無糖)R100ボトル)のあることに気づきました。2011年3月ころ、ちょうど東北大震災で日本中が大混乱に陥っている中、サントリービジネスエキスパート社により日本食品化学会誌への投稿する原稿をまとめられているときでした(「物理的再生法によるPETボトルリサイクルにおける汚染物質除去効果(Voi.19(1),2012」)。これはFDAのさだめる代理汚染物質のチャレンジテスト・・・あらかじめ既知の汚染物質を故意にPETリサイクルレジンに浸透させ、その後、リサイクルメーカー(今回は協栄産業社(㈱))におけるリサイクル設備で処理した後、このリサイクルPETレジン100%で作成したPETボトルに水やエタノールを含有する内容液を充填の後、内容液中に遊離してくる代理汚染物質の濃度がFDAの定める基準値以下であることを確認する・・・というものです。この試験結果を受けて、キリンビバレッジ社も自社のPETボトルにリサイクルPET100%を採用いたしました。

Photo for Matsuda-san_3 (002) 筆者、演壇右から4人目。5人目はILSI台湾会長 陳隆宏氏

●台湾ILSIでの筆者の発表

内容は「①日本におけるPETボトルのリサイクルBtoB(ボトルtoボトル)の進展 ②日本はPETボトルの化学的リサイクルと物理的リサイクルの両方が存在するたいへんユニークなリサイクルPETボトル市場である ③日本ではリサイクルPETは入札制度により原料リサイクルPETの価格が決定されるため、ヴァージンPET価格などの市況の影響を強く受ける」でした。

●日本のBtoB

欧米各国でもリサイクル意識の高まり、飲料メーカーのサポートの元、BtoBは拡大していますが、その主体は物理的リサイクル法が主体であり、化学的リサイクル法についてはあまり例がありません。日本では物理的リサイクル法と化学的リサイクル法の両方が存在する領域であり、両方法の長所と短所が、日々、技術的に進歩しています。これら技術の進歩が市場における環境変化(石油の市価、ヴァージンPET市価、エネルギーコストなど)と調整をはかりながら、進歩している非常に珍しい領域であると思っています。歴史的な背景も含めて日本におけるBtoBの状況につき、台湾の出席者に発表いたしました。

IMG_8065発表者はみなさん台湾ILSIの幹部の方ばかり、少し気おくれがしました

●ILSI台湾の関心

ILSI台湾の関心事項として「①100%リサイクルPETを飲料と直接接する容器に使用する際の食品容器としての安全性 ②台湾では法整備も含めて100%リサイクルプラスチックを直接食品容器に使用する事例がほとんどない」ということでした。会場から出た意見としては、資源保護やエネルギー問題も考慮し、台湾でもリサイクルプラスチックの進展を検討していく必要が生じる、などありました。今後とも日本と台湾のみならず、東南アジアなどの海外に向けて情報発信してゆきたいと思います。本件につきまして皆様からのご意見をいただければ幸いでございます。

●発表会終了後の懇親会

懇親会では台湾ILSI、政府関係者の皆様など、さまざまな人とコミュケーションができ、たいへん有意義な出張でした。

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